ADOLMARE

企業連合と国家連合との小競り合いは激化の一途を辿っていた。
数的に圧倒的に有利であった国家軍は、物量作戦で短期決戦を仕掛け、
企業軍の複数の前線基地を僅か数日で陥落させたのである。
各国家の国民は愚か、国家軍首脳でさえ企業群との紛争は、小競り合い
程度で終わるはずだと考えていた。

だが、事態は一変する。

企業連合の一翼を担うMATRIX社がANSWER率いる主力部隊を投入。
ムーロア連邦が占領していた前線基地を、基地・部隊もろとも
壊滅させたのである。物量比は10倍以上であり、負けるはずの
ない戦いに、国家軍は敗北したのである。企業側が投入した次世代
機体の性能に驚愕した国家軍首脳陣は、キメラの使用を承諾。
MATRIX社を集中的に攻撃させることを決定する。
だが、事態はさらに悪化した。ANSWER-SYSTEMにより、キメラの
制御系統がハッキングされ、約2000機のキメラがMATRIX社の下に
奪われてしまったのである。

統制のとれたキメラ部隊が、ムーロア連邦の主力部隊に襲いかかる。
ANSWER-SYSTEMによりムーロア連邦はキメラを使用できず、数で勝っている
はずの国家軍側は、文字通り戦局を覆されたのである。そこでムーロア
連邦首脳陣は、予てより開発していた新型機体の投入を決意した。

 

殲滅特化型攻撃機「ADOLMARE」。

全長:20.5m
全高:12.8m
翼長:20.2m
重量:不明

武装:高熱荷電粒子光弾
   爆撃用エネルギーキャノン
   ハイヒートファング(口部)
   ハイヒートブレード(尾部)(翼部)(脚部)
   特記;単純な体当たりだけでも凄まじい威力

ワイバーンという超希少種を素体に使用し、超高々度からの荷電粒子砲の
掃射を可能とした、文字通りの化け物機体である。空中での荷電粒子砲の
使用という、前例の無い開発コンセプトにより、フレームは大型化。
翼長の肥大化による生産性の低下、コストの増大(アイアンコング12機分)。
これらの問題を残していたものの、最初期に投入された25機により、
ANSWER-SYSTEM下のフライシザース部隊を壊滅状態にまで追い込み、一度は
決したかと思われた戦争を五分にまで押し戻すことに成功した。

  

この戦績からも見て取れるように、ADOLMAREの戦闘力はもはや戦略級ゾイドと
いえる。高々度から放たれる荷電粒子の雨は、基地・ゾイド問わず全ての敵を
地形ごと消滅させる。